ゆっくりでも止まらなければけっこう進む
Posted by watari - 2013.10.27,Sun
上野毛に着くころには雨も止んでいました。
光悦は、桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した町衆。
光悦は、桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した町衆。
本職は刀の研ぎや鑑定だったようですが、書と陶芸に優れた人物で、今でいうところのマルチクリエーター。その方のお茶碗を見に来たわけです。ちなみにこの日はこの特別展のスタートの日であり、楽家当代の講演会もあるということでけっこうな混み方。お庭も天気が良ければ見れたんだけど、大雨だったので閉鎖中とのこと。残念。
楽焼は低温で焼かれる軟陶で、聚楽第の近くで作られたので楽焼という名前が付いたとのことです。楽焼には黒楽、赤楽、白楽とがあって、展示されていました。
それぞれのお茶碗に銘が付いているのですが、なんだかそれが非常にわかりいい。
雨雲、時雨、冠雪、それに乙御前。
ただの茶碗なのに、そのように見えてくるのが不思議。
日本人は擬人化や八百万の神々のように、物に名前を付けて魂を与えてしまうようなところがあるから、もしかしたら、人にしろ物にしろ、名前というのは非常に大事なことなのかもしれません。もちろん無銘だから何だ、ってことはないのだと思いますし、名前が逆に作用してしまうこともあるかもしれないですけどね。
本当にウチにあるような陶器と同じ用途なんだけど、この物に溢れる気品と存在感はなんなんでしょうね。絵や彫刻なんかとは全然違う雰囲気だと思います。
さて、一通り見終えたあとは、講演会。
それぞれのお茶碗に銘が付いているのですが、なんだかそれが非常にわかりいい。
雨雲、時雨、冠雪、それに乙御前。
ただの茶碗なのに、そのように見えてくるのが不思議。
日本人は擬人化や八百万の神々のように、物に名前を付けて魂を与えてしまうようなところがあるから、もしかしたら、人にしろ物にしろ、名前というのは非常に大事なことなのかもしれません。もちろん無銘だから何だ、ってことはないのだと思いますし、名前が逆に作用してしまうこともあるかもしれないですけどね。
本当にウチにあるような陶器と同じ用途なんだけど、この物に溢れる気品と存在感はなんなんでしょうね。絵や彫刻なんかとは全然違う雰囲気だと思います。
さて、一通り見終えたあとは、講演会。
題目は「光悦茶碗」講演者は樂吉左衞門氏(樂美術館館長)。
14時スタートのところ13時から整理券が配られたのですが、私が着いたのが20分前。その時点でけっこうな人が並んで整理券をもらっていまして、席数は150くらいあったはずですが、13時の時点では満席。それでも立ち見がいるくらい。
光悦についての当代の愛情?を感じられ、そのうえ茶碗という存在の不思議さについても話しておられました。確かにただの土焼いただけの器なんですけど、世界を感じてしまうのが凄いですよねぇ。
お話はなかなか面白く聞けました。時間にして1時間半くらい。
14時スタートのところ13時から整理券が配られたのですが、私が着いたのが20分前。その時点でけっこうな人が並んで整理券をもらっていまして、席数は150くらいあったはずですが、13時の時点では満席。それでも立ち見がいるくらい。
光悦についての当代の愛情?を感じられ、そのうえ茶碗という存在の不思議さについても話しておられました。確かにただの土焼いただけの器なんですけど、世界を感じてしまうのが凄いですよねぇ。
お話はなかなか面白く聞けました。時間にして1時間半くらい。
さて、内容については以下に箇条書きでまとめておきます。
・批評家ではないので客観的に話しにくいが、光悦は一番好きかもしれない
・27歳のときに楽家を継ぐ決心をしたが、光悦の乙御前(赤楽の茶碗)が楽家に戻ってくるチカラになった。
・乙御前は赤ちゃんのおしりのよう。たまらん触り心地。
・茶碗はとてもやさしい。
・芸術がどう、とかではなく、用を持っていることの優しさ。
・茶碗には凄い世界観がある。不動のものではない。見る人によって変わる。
・手に乗る容器でしかないが、自分自身の鏡のようなもの。非常に主観的なもの。
・それは日本的な文化の特徴。揺れ動く主観性。
・光悦の黒茶碗は、かなり初期段階のものと作っている者からは思える。
・ぼってりと厚ぼったい、浅い。くすり(釉薬)は楽家2代の常慶と推定される。
・2代の黒釉薬は茶味を帯びている。3代は光沢が少ない。
・初期段階から既に光悦らしい特色はできている。丸みのカタチ、カーブは独特。高台が言葉では説明しにくい。(せっかくスクリーン用意してくれているんだから、茶碗それぞれを映してくれれば良かったのに)
・楽茶碗の作り方は独特。紐作りで作ったりすると中心が作りにくい。ボコボコしてしまう。
・普通は赤茶碗のほうからはじめる。赤のほうがつくりやすい。焼くのも楽だが、難しい(笑)
・ただし赤楽のくすり(釉薬)は、楽家のものではない。乙御前もそう。他のところで焼いているらしい。
・黒楽は14~15人で焼いている。代々手伝っていただいている。ちょっと手伝ってもらえるようなことではない。フイゴの重さ・軽さなどいろいろとノウハウがある。
・楽家には職人はひとりもいない。
・光悦の白い茶碗は不二山と白狐と冠雪の3つ、だと思う。
・不二山は光悦茶碗のなかでは抜群の大衆性をもっている。
11/10のNHKの日曜美術館で特集されている。
・不二山は諏訪のサンリツ服部美術館から門外不出で、普通は映像も撮れないが今回特別に許可された。自分(楽家当代)も初めてみることができた。
・門外不出ということも、ひとつやふたつ、あっても良いような気がする。
・不二山の黒い部分は予期せぬ何かが起こっている
・楽焼は何度で焼くかは当主の判断で、窯に温度計を入れたことは一度もない。
・光悦は青年のような清々しさがあるがする。
・日本の文化は幽玄や侘び、形の奥の世界を大事にする。
・日本は平面に固執する。3次元を2次元化する。何が起こるかと言えば、デフォルメ・誇張、ゆがみがおこる。屏風や浮世絵がそう。日本舞踊や能、茶の湯、また書もそう。
・今の時代、本阿弥行状記が面白いと思う。
と言ったところで、講演会終了。約1時間半。非常に面白かった。
絵ハガキも5枚購入。11/10の日曜美術館も楽しみ。楽美術館と諏訪のサンリツ服部美術館にも行ってみたい。
ちなみに、直近では根津美術館でおこなわれる「井戸茶碗 戦国武将が憧れた器」と、菊池寛実記念 智美術館でおこなわれる「現代の名椀」を見に行きたいと思ってます。
ちなみに、直近では根津美術館でおこなわれる「井戸茶碗 戦国武将が憧れた器」と、菊池寛実記念 智美術館でおこなわれる「現代の名椀」を見に行きたいと思ってます。
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