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Posted by watari - 2013.03.02,Sat
『疑え、常識。』読了。【☆☆☆☆☆】

はやぶさのPM、川口先生の新作。
本屋さんをフラフラしているときに宇宙コーナー関連にあったのを発見。
取り出して表紙を見て、ギョ!!っとした。
でも、不快さはない。2度見して、笑ってしまった。
 
川口先生の本はいくつか読んだことがあったけど、今回の本は内容も新鮮。
直接話を聞いている講演や、お酒の入ったロケット祭り①では、ちょっとだけ滲み出ていた川口先生のアクの強さが今回の本ではダダ洩れ。
 
きっとこれでも本になる前に丸く編集されているのだろう、と推測されますが、直接仕事や教育をする立場であったならば、もっと癖が強く感じるだろうと思う。
 
「義務教育は、国家にとって便利な人間を育てる洗脳、と思った方が良い」なんてことを国家機関の教授が言って良い日本の自由は非常に大事だと思います。
 
他にも、かなり言いたい放題。
読んでいてキモチイイ感じになってしまう。
 
・座右の銘は持ってはいけない。

・どの街からもジョブズが生まれる可能性があるが、誰しもがジョブズになれるわけではない。町であれ、国であれ、ジョブズが生まれたならば周囲はビジネスを支えられる環境を作っていけば良い。優れたアイデアをつぶさない、つぶさせないように。

・私が考えるに学校側は”釣り宿の主”。釣れないと客から不平が出るので、釣れる場所を提供し、それでも釣れなければ魚をつけてあげる。それで「釣れましたね。よかったですね」と。教育をビジネスと捉えればそういくこと。教育をビジネスで考えるのは、ある面では正しいが、それを提供する側も提供される側も認識して欲しい。
 
・はやぶさが示した最大の成果は、国民と世界に対して「日本は単なる製造の国ではなく、創造できる国なのだ」という自信と希望を具体的に呈示したことだと思います。
 
 
川口先生も書かれていましたが、昨今の日本メーカー系の苦戦についてですが、80年代以降、メーカー系大企業は非常に安定した企業となったために安定志向の川口先生の言うところの「勉強のプロ(高学歴者)」が大量に入社してきて、それにより価値の創造が出来なくなってきているのでは?と邪推しています。「勉強のプロ」は、参考書や教科書、前例や実績、歴史に学んできた方々。その方々がモノを作る場合、一般的に良いモノといわれる何かと比較して良いモノを作りたがる。
 
大手企業ほど前例や実績を強く重視するため、想像から生まれる創造が出来なくなる、一歩踏み出したリスクを犯さなくなるという、実感があるためです。
 
「ちょっとアタマが弱いから、よーく失敗するけど、たまに不思議なアイデアがある」
くらいがちょうど具合が良いのかもしれない、という気がしています。
 
私の実感では、これにあたるのが日本の中小企業。
アタマよりも手が先に動くタイプだったり、数式よりもイメージ優先な方が開発実務的には強いです。
 
ちなみに本書のあとがきがまた絶妙。
 
「本書で語った私の話は、決して信じないでください。」

ビジネス書のあとがきには必ず入れて欲しい文言ですね。
ビジネス書をまるごと信じる人はいないと思いますが、真っ当にそのことが書いてあるということが重要な気がします。
 
基本的には超絶天邪鬼親父ですが、だからこそ「はやぶさ」は帰ってこれたのでしょう。
「出る杭は打たれる」「出すぎた杭は抜かれる」という日本で、変人揃いの宇宙関連組織であっても中心に居続けるのは大変だったんだと思う。
その処世術も含めた言葉は心に残りました。

 
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