変わり塗りについて、ジョニーさんから御質問があったので、
素人ながら塗り方について書いてみようと思います。
変わり塗りは本来ならば漆塗りなどの伝統工芸に用いられる技法です。
私はお手軽に代替うるしのカシューを使っています。技法自体はそれほど難しくはないですが、乾燥に時間が掛かりますが、時間が掛かるだけで殆ど難しい作業はありません。もちろん思ったような模様を出すようになるには技能が必要となると思いますが、偶然に頼って浮き出てくる模様を作るのはなかなか楽しいことです。
変わり塗りは、色の組み合わせで様々に変化するわけですが、私が主に使うのはカシュー塗料の黒ベースの金。
他にも赤+金とか黄+赤とかやってみましたが、あまり趣味に合わないようでした。派手過ぎて単色のほうがマシという感じになっていました。他の色に関しては、他にもトライしていこうと思っています。
やり方、色合いなどいくつも方法があるようですので、そのことについては下記の本に詳しく載っています。
私は図書館で借りて勉強しました。
下記の『つづき』以降に記した方法については、あくまでも私の方法です。
もっと良い塗り方があると思いますが、いちおうこんなんでやっています、ということで参考までに。
①下塗り
カシュー黒を塗る。乾燥は1週間。塗り回数は3回以上。
私はカシュー(黒)を約0.5cm3(小豆2個分)に対し、薄め液を0.5滴ほど追加して塗っています。
厚塗りは不可。後ほどの⑤研ぎ出し(削り出し)の際に素材が表に出てこないように厚みが欲しくて3回塗りするわけで、
工期短縮のために厚塗りしたくなりますが、厚塗りすると表面は乾燥しても下層が乾燥しないことがあるので注意が必要。
1週間のうち週末しか作業しない(できない)ので、結果的に乾燥時間は1週間で固定となっています。
②山立て
カシュー黒で山立て。乾燥は1週間。
山立てとは、不規則な厚みで塗料を塗ることにより、後の削り出しでそれが模様として表れます。
塗り付けに使う道具は楊枝。塗装に楊枝は欠かせません。作業が済んだら捨てればOK。
方法としてはチューブから出したカシュー黒をギリギリ乾燥する直前まで放置。
それを楊枝で練って、殆ど垂れないことを確認したところで、目的のものに楊枝で模様を付けます。
私は完全に不規則。テキトーです。点付けでも良いし、規則的な線を描いても良いと思います。
通常はヘチマや粗目のスポンジに塗料を付けて叩くような感じで山立てするようですが、私もやってみましたが、あまりうまくいかなくて今はやっていません。一度、塗った面にビーズを貼り付けて、乾燥後に取り外してビーズの跡の凹凸により変わり塗りとしたこともありますが、出来上がりがちょっと気持ちが悪くなりました。これは趣味の問題でもありますね。
塗料の粘度が低い(サラサラ)状態で山立てしても、平面に戻ろうとして山が低くなってしまいますので乾燥直前の粘度が高い(ベトベト)状態が良いと思います。
③金塗り
模様として削り出すためのカシュー金を黒の上から全面に塗ります。
カシュー金はカシュー(本透明か?)に金色の粉を混ぜたもの。金色の粉は真鍮?かなりしっかりした金色になります。
また遮蔽力も強いため、黒の上に薄塗りしても完全に金に塗れます。
先日、トライしたタナゴ浮きは金の上にカシュー透を塗ってみました。
近所のフィッシング中原に置いてあった試作品がシックでカッコ良かったからです。
そのタナゴ浮きの完成はもうしばらく後になりますので、後日アップ予定です。
多色の研ぎ出しとするならばここで何色か塗ることになります。
但し、ネットを見る限り、多色のものはあまりカッコ良くない。
単色のほうがすっきりしていて綺麗な気がしています。
特に黒と金は伝統工芸でも多様される組み合わせのため、相性が良いです。
④上塗り
金の上からカシュー黒を塗る。乾燥は1週間。塗り回数は3回以上。
①と同様の工程です。
⑤研ぎ出し(削り出し)
変わり塗りで最も楽しい作業。
表面を水用研磨紙(エメリーペーパー)で研ぎ出します。
私は#800番に水を付けてゆっくりと模様を出し、最終的には#1200で仕上げます。
模様は削れば削るほど変わってきますが、削りすぎると無くなってしまうので、
あともうちょいかな?と思ったところで止めるくらいがちょうど良いかもしれません。
思ったようになるには場数が必要なのでしょうが、私はそこまで到達していませんので、
偶然の為せる模様にワクワクしながら研ぎ出しています。
⑥仕上げ塗り
カシュー(本透明)で表面を仕上げ塗りします。
研ぎ出し模様は削った直後は、研磨跡によってちょっと曇ったような色合いになっていますが、
これに仕上げの塗りを施すと綺麗な模様に固定されます。
但し、本透明は若干飴色のような透明なので、見た目が若干変わります。
特に銀で仕上げた場合、飴色が載ると金色のように変わるようです。
青や赤も暗めに変わります。金も暗めになりますが、私は好きな色合いなのでOK。黒は変化はありません。
ここで透明なウレタンなどで仕上げる方法もあると思いますが、
カシューの乾燥を阻害するため、良くないという記事もあり、私はまだトライしたことがありません。
というわけで、これで完成。
1週間毎にサボらずに作業を続けても、単純計算で①(3w)+②(1w)+③(1w)+④(3w)+⑥(1w)で合計9週間かかることになります。時間は掛かりますが、出来上がりは綺麗ですよ。
塗り終わってからは、ルアーの場合はアイやリップを付けるでしょうし、タナゴ浮きならばマーキングになる蛍光黄色を
塗ることもあると思います。
初めてでも思いの外、綺麗に仕上がるので、ルアー塗りやウキ塗りにオススメです。
あのシワシワはがっかりするよねぇ。。。
しかも、どんなに待っても表層がフタになって乾きやしねぇし。。。
それにしてもこの変わり塗りは、地味に派手だよね(笑)。
確かに、そのとおりだなぁ。
舶来の金キラの派手ともアジア系の原色の派手さとも違って、
日本人好みの派手さなんだしょうね(笑)
でもね、これがサカナにもアピールするような気がして仕方が無いんですよね。
ただ私を含め人間のほうが釣れてしまいますが(笑)
詳しい説明。ありがとうございます。
手間がかかる分とても嬉しい仕上がりですね。
伝統の技は心に響きます。
カシューは手頃ですよね。
私も図書館で探して少し勉強してみます。
なにかわからないことがあったら質問させていただくかもしれませんがその時にはよろしくおねがいいたします。
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