『ドラゴンランス秘史 ドワーフ地底王国の竜』読了。【☆☆☆☆☆】
私が確か10歳の頃。
既に大人向けの歴史小説は図書館で借りて読んでいましたが、図書館には置いていないナニカ違うモノが読みたくなっていました。ちょっと大人のフリをしたかったのでしょう。
近所の本屋さんで見つけたのがドラゴンランス戦記でした。
表紙絵はアメコミのようなバタ臭さ。左上にはD&Dのホログラムシールが貼られていまして、「こーいう本は図書館で見たことがない」とワクワクしながら購入したことを覚えています。いまでは残念ながら絶版。こんな感じの本でした。懐かしい。。。
読み進めると何が何だかワカラナイけど面白い。
D&Dから派生したため善・中立・悪など性格分けしているのがアメリカ的といえばそーだけど、だけどそれは物語としての深みになるように感じていました。当時一般的でなかったドワーフ、エルフ、ゴブリンなどファンタジー特有の言葉の意味も全くわからないまま読み進めましたが、主人公たちには様々な欠落、問題も抱え、最近の萌えだのナンだのが殆どないようなちょっとダークな雰囲気で骨も肉もあるように感じていました。
引き込まれるように読み進めましたが、当時は全6巻のうち4巻以降が発売されておらず、ジリジリしながら発売を待っていました。あのころはネットもないし、まして出版社に連絡する手段もわからない小学生でしたので発売日を知る手段は本屋さんに通うしかなかったんですよね。そのころは棚を見るためだけによく本屋さんに通いました。物語が全て完結したときは強く感動したことを覚えています。
で、本題。
この「ドラゴンランス秘史」は私が小学校時代に読んだドラゴンランス戦記の確か第2巻と第3巻の間に当たる物語(のはず)。あの当時の主人公たちの裏話(秘史)となっています。
この本は図書館で借りたのですが(20年経って図書館に置いてくれるようになって感動!!)、借りてみてビックリ。ソフトカバーの750頁超えでした。読み始めてしまったら、けっきょく半日を掛けて読みきってしまいました。ホントに面白かったんですよ。本来ならば10代が読みべきファンタジーなのかもしれませんが、30代半ばの私が読んでも良かった。10代の頃に読んだ人物たちが活躍して心が躍ってしまいました。
で、今回の主人公はサブタイトルにある『ドワーフ地底王国の竜』からもあるようにドワーフのフリント。
頑固で偏屈、だけど本当は優しい年老いた細工職人。私が最も好きだった人物。
もう二度と会うことはないかもしれないと思っていただけに実に嬉しかった。
もちろんケンダーのタッスルもいつものとおり。個人的にはイライラしてしまうキャラですけど、彼がいないと物語は進みません。彼がドラゴンランスのキーマンなのは変わらず。
他にもタニスに、スターム。キャラモンにまだ黒くなっていないレイストリンももちろん。このあとこの仲間達の中で致命的な出来事が起こってくるはずですので、もしかするとこの仲間による最後の冒険だったのかな。
このあと2巻あるということで、それも期待大。
この本を読みためにはドラゴンランス戦記を読み終えた後がオススメです。
久しぶりにそちらも再読してみようかな?表紙が全然変わってしまっているのは時代ですね。ちょっとこーいう表紙だと手に取るのが勇気がいります。
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