『ハーモニー』

『ハーモニー』読了。【☆☆☆☆☆】

 

早いんだか遅いんだか、よくわからんですが、本日で２０１２年も半分終了。

う～ん。やっぱり早いのかな。

 

で、「ハーモニー」です。

 

私的読了本２０１２年上半期の中で一番良かった。

日本ＳＦ大賞受賞作。

 

でも、そんな飾りなんてどーでもイイ。この作品はそんな枠ではおさまらない。

と思うくらいの圧倒的な物語の力がありました。

読めばわかる。

 

ただ一点。

惜しむらくは・・・、作者が享年３４で早逝されていること。

それを踏まえたうえで、この作品のラストシーンは心が震え、鳥肌がたちました。

 

ネタばれはしません。

 

ですが、震災後のいまの日本を映し出す作品だと感じました。

この作品は０８年１２月に出版されています。

優れた作品に欠かせない予言的な物語。

それも単純な意味ではなく、作家の感受性によって感じられる世界。

そのうえでの作品名「ハーモニー」。

 

この作品を読んだあと、自分の中のいまの日本像が変化してしまったかもしれません。

ただの記号である言葉によって、自分の世界観が破壊される。

読書の醍醐味を感じさせてくれる作品でした。

 

それにしても口惜しい。

生きてさえくれれば。