ゆっくりでも止まらなければけっこう進む
Posted by watari - 2015.03.07,Sat
『ホンダ イノベーションの神髄』読了。【☆☆☆☆】
著者は小林三郎氏。
本田技研に勤めて、エアバック開発に従事したエンジニア。最終的には経営企画部長をされて、現在は大学教授。
基本的には年寄りの自慢話であるけれど、だけどそれはそれで面白い。特に技術者が思うこと、会社に対しての文句は非常に共感できる。章で語られる話とは別にコボレ話的に「バカヤローな人たち」と題して、ばっさりと関係者を切って捨てているところも小気味良い。きっと素直で率直なんだと思う。
ただイノベーションに対する考え方は若干個人的には違うんじゃないか?と思っていて、既存技術(たとえばエアバック開発)のような既存価値の延長ではなく、全く違った物事(既存価値の破壊)のことをいうのじゃないか?と思うのです。
本田技研に勤めて、エアバック開発に従事したエンジニア。最終的には経営企画部長をされて、現在は大学教授。
基本的には年寄りの自慢話であるけれど、だけどそれはそれで面白い。特に技術者が思うこと、会社に対しての文句は非常に共感できる。章で語られる話とは別にコボレ話的に「バカヤローな人たち」と題して、ばっさりと関係者を切って捨てているところも小気味良い。きっと素直で率直なんだと思う。
ただイノベーションに対する考え方は若干個人的には違うんじゃないか?と思っていて、既存技術(たとえばエアバック開発)のような既存価値の延長ではなく、全く違った物事(既存価値の破壊)のことをいうのじゃないか?と思うのです。
40歳以上ではイノベーションをおこせない、というのも言いたいことはわかりますが、その決め付けがイノベーションを否定していることと同義ではないかな?と感じました。
あともうひとつこの本を読んで感じた切ない話。
エアバック開発は困難を極め、17年間も掛かって立ち上げたとのこと。その際に重要なサプライヤーとして、タカタを巻き込んで開発を進めたと書かれています。
あともうひとつこの本を読んで感じた切ない話。
エアバック開発は困難を極め、17年間も掛かって立ち上げたとのこと。その際に重要なサプライヤーとして、タカタを巻き込んで開発を進めたと書かれています。
でも、その当時のタカタの社長に「エアバックの部品で何かあったらタカタはつぶれる。そんな危ない橋は渡れない」と断られた、と開発者である著者が書いています。
最終的には、著者の熱意(この本によれば)によって、タカタはエアバック開発に協力、成功して売り上げを伸ばしたわけだけど、最近のアメリカ事故のタカタの立場を考えると当時の社長の言葉が未来を読んでいたわけです。そのリスクを読んでいながらにして、この問題を抱えてしまったわけです。
欲に目がくらんだとか、思想を曲げた、とかナントカというつもりはないけれど、経営者の判断というのは瞬間で正しいとか間違えとか言えない非常に難しいのだな、と感じました。
また開発者としての著者はアメリカのエアバック事故の件をなんと思うのであろう。そこも個人的には気になった。
きっと何十万人もの命をエアバックは救っているけれど、数人の命を絶つような不具合で会社はつぶれる。原発もそうだけど技術というのは因果なものだと思う。
欲に目がくらんだとか、思想を曲げた、とかナントカというつもりはないけれど、経営者の判断というのは瞬間で正しいとか間違えとか言えない非常に難しいのだな、と感じました。
また開発者としての著者はアメリカのエアバック事故の件をなんと思うのであろう。そこも個人的には気になった。
きっと何十万人もの命をエアバックは救っているけれど、数人の命を絶つような不具合で会社はつぶれる。原発もそうだけど技術というのは因果なものだと思う。
本田宗一郎氏の「理念・哲学のなき行動(技術)は凶器であり、行動(技術)なき理念は無価値である」という言葉は開発者、経営者の立場によっていろいろと受け取り方がかわりそうだとも感じた。
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