『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』

『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』読了【☆☆☆☆】

著者は幕内秀夫氏。

去年くらいに糖質制限ダイエットなるものが流行っていて、米喰いな私としてはそれは難しいなぁと思ったくらいで終わっていたのですが、そのなかで人間は農業を始める前は狩猟採集生活を送っていたから、糖質はほとんど食べていなかった。だから糖質は制限すべき、という主張があって、知識不足でちゃんとは反対できないんだけど違和感をずーっと持っていて、たまたまこの本を図書館で見かけたのでちょっと読んでみた。

ちなみに糖質制限ダイエットとは「肉は食べ放題、アルコールも飲み放題、ただし、ごはんやパンなどの糖質は食べないという極端な主張。ダイエットで食べ放題や飲み放題というのが新鮮で、でもそれが私の違和感でもありました。


この本を読んでみて、やっぱり私の持っていた違和感は正しかったようです。


狩猟採集時代の人間は癌や糖尿病や脳卒中などで死ぬことはなかったというのは、まず人間の平均寿命の話で論理的な反対ができて、昨今の日本人の寿命は７０～８０歳代であるけど、その当時は３０歳台であり、癌などの病気になるわけがない、短命の時代に生活習慣病は発生しないということ。そりゃそーだ。

糖質制限ダイエット主張者が言うところの縄文時代の生活は、平均寿命が３０歳代であり、癌等の病気が無かったというのは詭弁というわけ。そーいえば世界史の授業で稲作文化が広がって、人間は食料を安定的に保管でき、寿命が延びたって勉強したっけね。

この本には糖質制限ダイエットは過去にも大ブームを起こしていて忘れ去られて、またブームになっているということ。極端なダイエット法であるほど、マスコミやメディアが取り上げてそれが大ブームとなると書かれていて、当たり前系の「食事は腹八分目とし、バランスの取れた食事をして、適度に運動しましょう」などは真っ当でありながら、メディアは取り上げたりはしないくてダイエット商法に踊らされる人がある一定のサイクルで続けられているみたい。

単品ダイエット（朝バナナとか）は大騒ぎになるけど、ほとんどが続かないから問題ないけれど、このダイエット法の特徴として肉は食べ放題ということで多少継続ができる。３週間で効果はでる（逆に３週間しか効果が続かない）が、それ以上やると体質に深刻な影響を与えるから非常に大きな問題だと語っている。

問題は油脂で、食べ放題を信じて肉食と油脂を続けると血管が詰まったり、女性特有の病気になりやすくなるとのこと。特に若い女性には注意したいとのこと。

ちなみに酒飲みで夜食でラーメン食べるような元々暴飲暴食系のおっさんにはちょっとは良いかも、ということでした。暴飲暴食も殆どしない私の体重減は簡単にはいかないってことで、のんびりやっていきますよ。