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Posted by watari - 2012.12.08,Sat

 

2012_12010067_640.JPG「The Art of Gaman 尊厳の芸術展」に行ってきました。
場所は上野。開催場所は東京藝術大学美術館。
写真撮影はOKとのことでいくつか写真を撮ってきています。
 
嫁さんが平日に見に行っていたのですが、その際に「きっとあなたは興味があるはずだから、見て欲しい」ということだったので、嫁さんと一緒に行ってきました。嫁さんは2回目になります。
 
太平洋戦争の直前の1942年。いまから70年前。
日系アメリカ人の方々が、突如、強制収容所に送られました。
 
鉄条網の張り巡らされる明日も知れない最低限な生活の中、砂漠から掘り出した貝殻や木っ端、鉄くずやボロ切れから作られた品々で生活をし、それをお互いに送りあっていた、とのこと。
 
その品々には、素人が作った拙さがありますが、作ることに対する真摯さ、真剣さが感じられ、またその品々から滲み出る人柄・その志に心が動かされました。
 
2012_12010035_640.JPG2012_12010034_640.JPG収容所にいたころの女性たちは、誕生日に手作りのブローチを送りあっていたようです。
遠目に見れば華やかに見えますが、細かなところを見てみると、小さな小さな貝殻を組み合わせたもの。
 
2012_12010029_640.JPG2012_12010030_640.JPGまた木っ端を削った鳥や魚だったり。拙さはありますが、とても丁寧に作ってあります。きっと作っているときは送る相手のことを思いながら心躍りながら作り、そして、貰った側も嬉しかったに違いありません。
 
 
2012_12010060_640.JPG手作りの表札もありました。
収容所では番号で呼ばれたそうです。そのなかで漢字で書かれた自分の名前の表札を作る。
穏やかで静かながらも強い意志が感じられます。
 
 
 
2012_12010042_640.JPG硯にある蟹。当然、砂漠ですから蟹なんているわけないはず。
それを描く。工具なんてないとのことで、ガラスで削ったらしいです。
それは途方もない時間が掛かったはずです。
 
 
 
2012_12010021_640.JPGひとつの木から削られた牛。わざわざ木片から削りだされています。牛は、収容所にはいなかったはずです。たとえ、あっても写真でしょう。
ですが、非常にリアルで力強い。背中のあたりの筋肉は張っています。きっとこれを作った方は牛について詳しい方だったに違いない。またひとつ木で削られているため、非常に手間も掛かったと思いますが、それでもこの牛を作りたい、という何かがあったんだと思います。
 
2012_12010047_640.JPG2012_12010046_640.JPG手作りで作られたお人形もありました。
ハギレなどで作られたのでしょう。
指先の所作やその後姿。ただ突っ立っているのではなく、歌舞伎の一場面のような形。まさしく日本の美しいお人形です。
 
 
 
芸術家にありがちな名を売りがたいための奇を衒うようなこともなく、作家・職人のような生活に基づく職業的な効率もない。
 
そこにはただ何かを作りたい、作っていたいという気持ちが、ただただ感じられます。
70年前に作られた品々ではありますが、間違いなく私もその系列に続する子孫であるという気持ちになりました。日本を強く感じる作品たちでした。
 
古きモノを捨て去る時代です。
場合によっては、この古ぼけた作品群が、拙いモノとして捨てられてもおかしくなかった。
このようなものが残っているということ、残していただいた方々に感謝したい。もしかすると日系アメリカの方々だからこそ残したのかもしれません。
大事なものが世の中にはまだまだあります。
 
上野での開催日は今週(12/9)日曜日までですが、
これから各地で巡回展示をおこなうようです。
 
最後にひとつ。
収容所が描かれた俳画がありました。
そこには、こうあります。
 
2012_12010063_640.JPG『血の誇しかと抱いて待つ明日』
 
逆境のなかで静かに生き続けた先人の尊厳を感じました。
 
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Comments
残念・・・
行きたいと思いながら、結局タイミングが合わず行けませんでした。

芸術家が見えない何かに迫られて作品を残すのとは違うのでしょうが、
強制収容所という極限状況に置かれた方が残すその作品は、
ある意味で非常に純粋な輝きを感じます。

ところで話は変わりますが、マタギのセール、
KLガイドは確かにカタログには載ってませんが、オーダーはできますよ。
届いた私が言うのだから間違いありません(笑)
Posted by 魚花 - 2012.12.09,Sun 00:21:25 / Edit
尊厳
非常に良かったですよ~。
先週、釣りの直前に行ってきたんです(笑)

人間の生きることの意味、尊厳とはなにかを考えました。
消費すること、作り出すこと。
出来るならば作り出すことのほうが多い人生でありたいです。

マタギのセール、カタログにのってないけど
頼めば買えるのですね(笑)
あのあと調べてみたら、ヤフオクに送料込みで
20%ちょっとオフを見つけたので、そちらで購入
しようかと思ってます。
ゆうちょ支払い可能ですし、メール便で楽ですから(笑)
Posted by watari - 2012.12.09,Sun 10:08:23 / Edit
これは、、、
作品の背景に想いを馳せると、瞬きも忘れますね。
贈り物、かくあるべし。
冒頭の写真で、“贈り物”の真髄を改めて考えさせられます。

これは良い展だ。
Posted by かっしー - URL 2012.12.09,Sun 21:31:53 / Edit
贈り物
この企画、それほど展示品が多いということでは
ありませんでしたが、それぞれに背景が刻まれている
ということの重さを強く感じられました。
ホント観に行って良かったです(笑)
これから福島、仙台、沖縄、広島と巡回するそうです。
ちなみにココに詳しい説明がありました。
http://www.museum.or.jp/modules/topics/index.php?action=view&id=228
Posted by watari - 2012.12.09,Sun 22:57:31 / Edit
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