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Posted by watari - 2014.05.25,Sun
『中国複合汚染の正体 現場を歩いて見えてきたこと』読了。【☆☆☆☆☆】

ツイッターで中国嫁日記の著者が紹介していたので読んでみた。

著者は福島香織氏。産経新聞記者を退職してフリージャーナリストとして活躍。たまにツイッターでも見かける。中国を取材対象として活躍中の方。

まず最初に書いておくのはこの本は優れたルポルタージュであるということ。また著者は非常に誠実であり、中国取材の特有の失敗すらも書き記しているということが中国の現在がわかりやすいし、面白い。

さて、読んだ感想を書こう。

読んでいて吐き気がした。

書き手が事象に誠実に書いているだけにその汚染が読み手にはっきりと伝わってくる。被害者の絶望も伝わる。対応者の理不尽なことも伝わってくる。どれだけ腐っているのだろう。きっと当事者たちは腐っているという私の感想に腹を立てるだろう。私がヒドイ汚職と思っていることは、役人としての当然の特権を行使している当たり前のことだと思っているからだ。

読み終えた最後にはこんなことが起こっているのが自分の国じゃなくて良かった、という思いと、これから隣国として付き合っていかなきゃいけないという暗澹たる気持ちとでいっぱいになる。いわゆる「マスコミ情報」だけでは伝わらないような詳細が載っていて、他国のお話ということだけでは片付けられないということがよくわかった。

中国人の民族的なちょっとした個性と共産主義とが合致して、困った特性を醸し出してこんなことになっているんだろうなぁ、と想像する。著者はまずは中国が民主化しないと環境問題の解決はないのでは?というようなことを書いていたけど、確かにそんな気もしてしまう。

ただ私は中国は民主化するってことはかなり確率が低いと思っているので、ということは環境問題は解決しないってことなのかも、とも思ってしまった。

ちなみに北京のPM2.5の問題だけは、他の汚染とちょっと違うと著者は指摘する。

中国の高級官僚たちは農村で起こってる汚染は見て見ぬふりができるけど、PM2.5に関しては北京の一般市民も役人たちも空気を吸わないと生きてはいけないため、平等に被害を受ける。そのため、これだけは解決するかもしれないとのこと。

だが、中国の専門家はこれがピークではないと予想している。その専門家はピークは10年後というが本当だろうか?

とにかく中国は不確定要素の大きな国だ。歴史小説で読むような典型的な汚職がはびこる。司馬遼太郎は中国を難治の国といった。歴史上、政権は数十年から数百年で交代し、前政権は完全否定され、基本的には殺される。いまの汚職がはびこっているのは、亡国の兆しなのだろうか?

私の生きている時代に中国で何かが起こるかもしれないけれど、なるべく私と私の家族、そして我々の国には何事もないことを期待したいが、かなり難しいことなんだと思う。少なくとも影響のないところに立っていたいと思う。


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