『仕事道楽』読了。【☆☆☆☆】
先日、テレビでやっていた「千と千尋の神隠し」を初めて見たのですが、内容の感想よりもナゼこの作品が邦画観客動員数No.1なのだろうという疑問が湧きました。貶すつもりはないけれど、こんなマニアックな話がNo.1になるなんて・・・という違和感。
確かに前作は「もののけ姫」であり、ジブリに対する期待があったのかもしれませんが、「千と千尋・・・」はいわゆるヒットする大衆作品ではない気がしました。
で、この本です。
この本はジブリのプロデューサーの鈴木氏が口述されたものを岩波の編集者がまとめられたものだそうで、わかりやすくまとまっていると思います。またプロデューサーからみた宮崎氏や高畑氏のエピソードはなかなか微笑ましいものもあって良かったです。
で、「千と千尋」の違和感の件ですが、文中に「ジブリの映画は夏公開が多いのだが、映画公開をお祭りのようなイベントにして皆で観たいと思わせる」というのがあったのです。確かに当時のテレビではずいぶんと宣伝がされていたのを思い出しました。きっと日本人の特性をうまーくお祭り雰囲気にしてヒットさせたのでしょう。本のベストセラーも本を読ませない人に読まないとベストセラーにはならないといいますし。
ものが売れるというのは、宣伝が大事ということなんでしょう。宣伝を宣伝と思わせないような祭りのような雰囲気というのは確かに売り方なのでしょうね。映画・芸能・文芸関係は一番良いという評価が絶対値ではないですから、さらにそういうところがあるのかもしれません。もしかしたら釣具も評価が絶対でないから、そーいうところがあるかもしれない。テレビや雑誌を見ない私のような人間は、なかなか時代のハヤリスタリに気がつかないですが勉強になりました。
ちなみに私は仕事は道楽にはできないクチです。仕事は仕事。道楽は道楽で楽しんでいきたいと思っています。
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