『功名が辻』

『功名が辻』（１）～（４）読了。【☆☆☆☆】

司馬遼太郎作品。戦国の武将、山内一豊とその妻の千代の出世物語。
名手司馬遼太郎作品にも関わらず、なんだかエピソードの繋ぎ合わせという感じ。もちろん面白いところはかなり面白いのだけど、それが部分的。

人の一生を小説として語るのだから面白い部分も面白くない部分もあるのだろうけど、それが露骨な気がしました。きっと司馬さんも面白いところはしっかり書いて、それ以外で手を抜いているような気がしましたね。あと一豊も千代も状況によって都合良く性格が変わりすぎ。感情移入できない。これもチグハグ感を感じました。

放送しているＮＨＫの大河ドラマは観ているんだけど、原作を読んで思うのだけど、あれはあれでよくまとめているなぁという気がします。テレビ的にはあの原作でよくやっている。面白いところはメチャメチャな脚色して面白く、面白くないところはスットバシ。潔いです。全く忠実でない。千代役の仲間由紀絵は良いキャスティングかな。原作ではかなり嫌味な役なんだけど、それをうまいこと回避していました。上川隆也はカッコ良すぎですね。原作でのイメージは凡庸で生真面目なオッサンでした。

あとはラストですね。どーしめくくるのか？ここまで改変しているんだから、さっぱりすっきり大団円で終わってくれると良いのですけど。小説の方があんまり良い読後感ではないからね。