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Posted by watari - 2015.01.24,Sat
『孤独と不安のレッスン』読了。【☆☆☆☆☆】

副題は「よりよい人生を送るために」。著者は鴻上尚史氏。あるとき古本屋さんで見かけて、お、面白そうということで図書館で借りてみた。最近は古本屋さんで本を買うのは特殊な本ばかり。少なくとも若い頃よりは本に対する物欲は減ってきているような気がします。

ちなみに鴻上さんのことはもともと好きで、劇団第三舞台に何度か行ってたりするし、著作も何冊も読んでいるのですが、そのうえで率直な感想を書いてみると、いつもと比べてやけに説教くさい。笑わせようとする言葉も少ない。真摯に丁寧に文章が進む。

でも、これが鴻上さんの本質なんだろうなぁ、と思う。

いつもならばユーモアやオチャラケで表層的な笑いと深層的な孤独や不安、絶望を語る物語が多かったように思うのですが、ここではその深層的な孤独と不安についての対処法を語っています。

きっと私は10代であれば、何度も繰り返して読んだかもしれない。ただもうおっさんになってしまっているので、ふむふむなるほど、という程度。もちろん、重要なことが書かれていると思います。もしかするとこれから先に孤独と不安を強く感じる瞬間があるかもしれません。

この時代、誰だって精神に負荷を受けて病気になることがあるわけです。

よく精神病は精神の風邪である、ということを言いますが、この本では骨折だと語ります。自然には治りにくいけど病院にいけばちゃんと治る。なるほどなぁと感じています。

書かれた中で気になったことを残しておこうと思います。

・人間は、見たいものしか見ない。

・あなたが出会う人は、あなたの水準と対応する。

・村の掟に逆らった人は、家事と葬式以外は協力しない(村八分)にする。農作業は共同作業。村の掟は西洋の神くらい、強く、怖く、圧倒的だった。日本人は共同体が神だった。

・名打者でも終身打率は3割。3回に1回ヒット打つだけでも大変なこと。すべてヒットを打とうとすると身体も精神ももたない。

・不安とトラブルは違う。不安はなにもできることがない。トラブルは考えて対処することができる。

・考えることと悩むことは違う。長時間悩んでもなんの結論も出ない。長時間考えればいろんなアイデアが出て意見もたまる。

・不安をお菊するのは自分の想像力。自分の想像力が豊かであればあるほど、不安は大きくなるのです。

・人間はわかりあえない存在。分かり合えないからこそ、分かり合おうとする。

・経験の浅い劇作家志望の人が書いたドラマにはたびたび「何も言わなくてもわかってくれるもう一人の自分」が登場する。現実の世界ではこんなことはない。

若い人はもちろん、年老いてからも読んでみるのも良いかもしれないです。


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