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Posted by watari - 2012.08.04,Sat

『小松左京の大震災 ’95』読了。【☆☆☆】


 

副題は「この私たちの体験を風化させないために」
 
この大震災というのは、もちろん2011年の東日本大震災ではなく、1995年の阪神大震災のこと。日本SF大家であり、地質学的SF小説「日本沈没」を書かれた小松左京氏が阪神大震災に被災された際に記録として書かれた本。
 
読もうと思ったキッカケは、日ごろ通勤でよく聞いているポッドキャスト「ラジオ版学問ノススメ」の瀬名秀明氏が薦めていたため。氏が最近出版した「科学の栞 世界とつながる本棚」という科学本の書評のなかで、最も思い入れのある本として、名前を出されていたのを聞いて、読んでみました。
 
小松左京氏は去年の7月に残念ながら亡くなられておりますが、95年当時はまだ60代だったためか、精力的に専門家をまわり、内陸性地震や活断層について尋ねています。地震の専門家ではない視点からの切り込みは、さすが鋭い。また記録を残すことの大事さを何度も語っておられます。
 
自身が関西人だから・・・と言われるように、震度計の値段や研究室の年間費用についても、細かく尋ねられていて、その点については面白い。
ある大学の地震研究の年間費用については、「あまりの少なさにお互いうつむいてしまった」という描写は、さすが小説家。耐震技術については、民間でも研究されているかもしれないけれど、地震という大枠での研究は民間ではいまでも参入しにくい。
 
地震に限らず、いま書かれている科学評論は「完成したこと」、「これから出来る可能性のあること」について書かれることが多いが、どのくらいのコストや時間が掛かっているのか?という視点が欠けているのではないかなと思う。
 
科学や技術に対して、メディアや政治家等の様子を見ていると「号令を掛けて、待っていれば、いつか叶う」と思っている気がしてなりませんが、その現場には、人がいて、お金がかかり、時間も掛かる。昨今の様々な要求ごとには、あまりにも場当たり的で人・モノ・金の視点がないことが疑問を感じます。
 
東日本大震災については、専門家やブログ、ツイッターなど様々な視点で記録として残されていると思います。きっと書かれているであろう被災された小説家の文章を読んでみたいと思いました。
 

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