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Posted by - 2017.05.01,Mon
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Posted by watari - 2013.03.16,Sat
『屍者の帝国』読了。【☆☆☆☆】

不思議な因縁を以って書かれた作品。
まず伊藤計劃氏により、プロローグが書かれる。
だが、伊藤氏は闘病の末に亡くなってしまう。この作品について円城塔氏と話をしていたとのこと。そのため、伊藤氏の遺族の了承のもと円城塔氏により完成された。両人は対談を通じて交友があり、作品の完成を円城氏自身が強く望んだという。

amazonに書かれる内容紹介が煽りが効いて、なかなか良い。
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2009年、34歳の若さで世を去った伊藤計劃。
絶筆は、未完の長編『屍者の帝国』。
遺された原稿は、冒頭の30枚。
それを引き継ぐは、盟友・円城塔ーー
 
日本SF大賞作家×芥川賞作家ーー
最強のコンビが贈る、大冒険長編小説。
全く新しいエンタテインメント文学の誕生! 
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20世紀初頭、イギリス。
その当時、フランケンシュタインにより屍者化が技術的に完成された、というプロローグから物語は始まる。
屍者化というのは、死んだ人間をネクロウェアというプログラムをインストールすることにより動かすということ。死者が蘇がえさせ、屍者とする。言葉はしゃべらず、元の人間性も残っていない。痛みや疲労はなく、文字通り黙々と使役される。
 
生者のため奴隷のような存在であり、その職業によりインストールするべきネクロウェアが異なり、屍者による傭兵をおこなう企業があらわれた・・・と話が進んでいく。
 
どこまでが伊藤計劃により考えられたプロットなのか?、わからないけれど、円城塔氏による聞き書きによる代筆、まるで御筆先のような物語が走り始めていく。

円城作品は短編を少ししか読んだことがないけれど、そのときとまるで文体が異なる。明らかに伊藤氏の文体に似せて書かれているのだけど、この小説どおりに生者である円城氏に伊藤氏を象るネクロウェアをインストールして乗り移ったか?というようなに違和感がない。
 
物語の終盤になるにつれて大きく広げている風呂敷を畳もうという気迫は感じられるものの苦しさが現れる。ただし、読み手のこちらとしても、それがわかりながらもどのようにするのかと息を詰めながら読み進めた。
 
読後のバッサリとした鋭い切れ味は、加藤氏の「ハーモニー」や「虐殺機関」とはいかないが、読んで良かったと思わせる何かがあったように感じた。

亡くなった作家の作品が蘇る。
「蘇る」ということは、今回の作品内容とも繋がる。
蘇りが本当のことでなく、たとえ異形であっても、これはある意味、奇跡的な作品なんだと思う。

きっとこれ以上は伊藤氏の作品はないであろう。そこが返す返すも残念。今後は、円城氏の作品を読んでみようと思う。

 
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