『栽培植物と農耕の起源』

『栽培植物と農耕の起源』読了。【☆☆☆☆☆】

長い人類の生活の中で改良を加えられてきた結果、いま現在の栽培植物があるわけですが、その過程と農耕の起源がわかりやすく説明されています。

曰く、世界には以下の４つの農耕文化が起源となるとのこと。
『根栽農耕文化』
『照葉樹林文化』
『サバンナ農耕文化』
『地中海農耕文化』

イモなどを中心とした根菜農耕文化では、種を蒔く植物はなく、また豆を収穫していたサバンナ農耕文化は豆を煮るための土器の発達により様々な豆を収穫するようになったなど、栽培植物の推移と人間の文化が、密接な関係性があるとのこと。日本は雑穀を中心とした栽培である『照葉樹林文化』ということでした。

また植物遺伝子を調べることにより植物の伝播がわかり、それにより人類の文化推移が判明するということでした。文中にありましたが遺跡や古物を調べるだけではなく、現在ある栽培植物から考古学がわかるということです。なるほど。

本は１９６６年初版でかなり古いですが、古さを感じさせない読みやすい本でした。ちなみにこの本は宮崎駿氏が感銘を受けたということで読んでみました。良い本でした。