『麦撃機の飛ぶ空』

『麦撃機の飛ぶ空』読了。【☆☆☆☆】

神林長平の本が読みたくなってきたので、調べてみたらコノ本読んだことない、ということで読んでみた。題名にある麦撃機というのは誤字ではない。言葉ありてモノが現れる、という神林らしい言葉使いであるとおもう。

内容はいわゆるＳＦショートショート。

神林長平氏の特徴では、言葉に言葉を重ねていくスタイルながらも、この作品群に関しては言葉を省いて切れ味鋭く物語る。短編であっても、やっぱり神林調で、私としては非常に面白い。

最初、ページを開いたときの行間のあまりの広さに逆に読みにくいかも？と思ったけど読み進めてみると全く気にならなくなってくる。この行間であったためか良いリズムで読めたと思う。ちょっと癖のある神林小説だけど、読んだことない人でも、この本に関しては読んでみても大丈夫かな、と感じました。

個人的に良かった全１３編のベスト５は順不同で「ＡＬＬ　ＣＬＥＡＲ」、「ファントム」、「過速」、「Ｇｏｄ　ｂｅ　ｗｉｔｈ　ｙｏｕ．．．」、「麦撃」。特に「Ｇｏｄ　ｂｅ　ｗｉｔｈ　ｙｏｕ．．．」良かったなぁ。それと挿絵も味があって良い感じ。神林氏の内容に合っていると思う。表紙の絵も良い。

ちなみに奥付を見ると全て８０年代の作品らしい。

個人的には最近のショートショートも読んでみたい。長編はもっと読みたいけどね。