『四日間の奇跡』

『四日間の奇跡』　読了。【☆☆☆☆☆】

裏表紙の紹介文にあった「第１回「このミス」大賞・大賞金賞受賞作」に釣られて読んでみた。最初は「このミス」ランキング一位かと勘違いしていたが、これは「このミス」大賞受賞作ということであんまりメジャーな賞ではないようだ。ちなみに私は知らなかった。元書店員の嫁さんに言わせると書店側から言うとあんまり「売れない賞」ということらしい。ランキング一位は読者投票だから信頼度が高いと思うけど。

それはともかく評価を受けた作品というのはある程度のレベルがあるから安心して読める。もちろんなかには面白くない作品もあるけど、それはその年のレベルが低かったと割り切っている。私の個人的好みは「江戸川乱歩賞」。これは高確率で面白い気がする。


前置きが長くなったがここから本題。

この本は良かった。面白いと思う。久しぶりに良い本を読んだと思う。

どうも処女作ということらしいが、落ち着いた文章で私はけっこう好き。ある意味ミステリーらしくない雰囲気も良かったし、なにしろラスト付近でのあるシーンで鳥肌がたった。久しぶりなような気がする。ちょーどそのラストシーンを読んでいる途中に自宅近くの最寄駅に到着してしまったが、その鳥肌シーンを読んでしまってから電車を降りてからも寒いホームで立ち読みで最後まで読み切ってしまった。最後の章（最後の日）は読みとめずにイッキに読んで良かった。

浅倉卓弥という作家はいままで読んだことがなかったけど、今度からこの名前をアタマにいれておこうと思っている。