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Posted by - 2017.10.18,Wed
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Posted by watari - 2007.06.11,Mon
『坂の上の雲』全8巻 読了。【☆☆☆☆☆】

読み終えました。読み応えがありました。良かったです。

この本の主人公は明治期の軍人である秋山好古秋山真之の兄弟と近代日本文学に影響を与えた文人である正岡子規の3人です。

ですが、全巻通して読んでみると司馬遼太郎氏はこの3人を通して明治という激動の日本の生き方を書きたかったのだろうと想像できます。導入部こそ秋山兄弟と正岡子規の松山で暮らす幼少時代の話ですが、時代が動き始め、日清戦争、日露戦争となってくると主人公たちのことよりも日本という若い国の話がメインとなってきます。

新聞で書かれていた小説ということで話があちらこちらに話が飛んだり、引用や繰り返しが多くて若干まどろっこしいところもありましたがそれはそれ。もともと司馬氏は戦争の話を書かせると素晴らしいのですが、今回もまたよかったです。戦争というのは忌むべきものですが、文芸の中では際立って面白い題材です。

読了後に強く感じたのは、日清戦争・日露戦争で世界の弱小国である日本が文字通りの『必死』で戦ってギリギリの勝利を収めたわけなのですが、そのことが約40年後、太平洋戦争を始めて負けた出来事につながっていくということでした。

具体的に書けば『ギリギリで勝った』ということを国民に情報を統制していたがために教えなかったことで国民が「神の国 日本」というような幻想をいだいてしまったわけです。その約40年後、その幻想を持った子どもたちが大人になり軍人となって始めてしまったのが太平洋戦争だったというようなことも司馬氏は書いています。

塩野七生氏の「ローマ人の物語」ではないですが、ひとつの国の歴史は数十年単位、もしくは数百年単位で連綿と繋がっていくのだなと実感しました。いまの日本は敗戦から約60年の間、戦争をしていませんがこれからどのようになっていくのでしょう。

それとこの小説の題名である『坂の上の雲』ですが、司馬氏はあとがきで、
『…日本史上類を見ない幸福な楽天家たちが…(中略)前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやているとすれば、それをのみみつめて坂をのぼっていくであろう』
と書いています。『坂の上の雲』という題名もまた素晴らしい。読了後、登場人物たちが白い雲を見つめながら坂を上っていくところを想像してしまいました。


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