『小惑星探査機はやぶさ 「玉手箱」は開かれた』読了。【☆☆☆☆☆】
私よりも「はやぶさ」に詳しくなってきた嫁さん曰く、
「はやぶさ」のことをを知りたければ2冊の本を読めば良い。
川口先生が書かれた『はやぶさ、そうまでして君は』と『「玉手箱」は開かれた』。
これだけ読めば、殆どわかる。
とのこと。今回、『「玉手箱」は開かれた』を読了後、確かにその通りだと私も感じました。
『はやぶさ、そうまでして君は』は、川口先生のはやぶさへの思い、情緒的なところも含めた名著だと思いますが、こちらの『「玉手箱」は開かれた』は科学的な説明が非常に多く盛り込まれています。「はやぶさ」を襲った数々のトラブルの原因についても詳細に説明されています。またそのトラブルをどのように解決していったのかという点も含めて書かれており、納得できる点が多かった。
トラブルに関しては、「はやぶさ」を語るうえで多くの方が書かれていますが、当事者ではない方が書かれた本では、よくわからない説明が多かったのですけど、さすが「はやぶさ」の全てを知る方が書いた本でした。非常にわかりやすかった。
もしかすると理系的な話が苦手な人にとっては難しい可能性もありますが、説明は簡便でかわりやすく非理系な嫁さんでも「感覚的にはわかる」とのことなので、どなたでも大丈夫だと思います。個人的には技術者としても勉強になる話も書かれたと思いますので、理系の方にもお勧めできると思います。
松浦晋也氏が「のぞみ」のことを書いた『恐るべき旅路』の中で川口先生のことを「軌道の魔術師」と評した凄まじいスウィングバイに関しても図入りで書かれていますし、NASAとの競争の裏話、「はやぶさ」を打ち上げた後、開発が中止されたM-Vロケットのことなど、川口先生が今までやってこられたお話も載せられています。
最後にこの本には、地球とイトカワ、はやぶさの軌道についてのパラパラ漫画が付いています。
「はやぶさ」がなぜ7年掛けて地球に帰ってきた理由もわかります。
ちなみにこの本は、かなり以前から入手済みでしたが、もったいぶって読んでいませんでした。明日、また新しい川口先生の本が図書館で借りられるということもあり、敬意を評してイッキ読み。私は基本的に通勤でのチョイ読みが殆どなので、重要な本だけ自宅でイッキに読みます。堪能させていただきました。
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