『小惑星探査機物語 はやぶさ物語』読了。【☆☆☆☆☆】
発売されたばかりの「はやぶさ本」。
またしても嫁さんが図書館にリクエストしてくれてまして、川崎市で一番最初に読ませてもらいました。ありがたい。
帰還直後に書かれた『小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡』も良かったのですが、こちらはちょっと雰囲気が違い、落ち着いた文章で読みやすくわかりやすかった。あまりに文章が異なっているから、もしかしたら編集者による的川先生のインタビューの書き起こしかも?でも的川先生の人柄が出ていたので非常に良かったです。
印象に残ったのは4つ。
はやぶさの名前がアトムになったかもしれないこと。
的川先生はアトムを推していたのだけど、原子力をイメージするからはやぶさになったと書かれていました。もし帰還のときに名前がアトムだったら、もうちょっと違ったことになったかもしれないですね。アトムならテレビも取り上げたかも?
ふたつめは的川先生が40歳のときに禁煙した時の写真。
後ろには若かりし川口先生がいますが、川口先生が的川先生に歳と同じだけのタバコを咥えさせて火を付けたときを激写されているのですが、2人の人柄と関係性が出ているとても素晴らしい写真だと思います。川口先生の「これは王冨だな」には、通勤電車でニヤリとしてしまいました。
3つ目は様々な工夫がされたことは「適度に貧乏」だったから。
お金が全くないと何もできないけれど適度に貧乏であればこそ、危機を乗り越えられたとのこと。確かにそーです。これは私も実感できること。適度に貧乏じゃなければ、ルアー作りなんてやらないで全部購入しますよね。コストを掛けずに創意工夫するからこそ作る楽しみは生まれる。基本です。
最後に、いまの子どもたちは大人たちが環境問題について教え込んでばかりで、その解決策を示さないのでは保守的な子どもたちばかりが育ってしまう。そのことへの危機感を持っているとのこと。子どもたちは世間知らずの大胆で夢や憧れを持てるように育てるべきでは?ということが書かれていましたが、そーいれてみればそのとおり。
きっとはやぶさを見て子どもたちは夢や憧れを持ったと思います。
10年、20年、もしかしたら半世紀のスパンで影響を受けた子どもたちが将来出てきてくれることを楽しみにしています。
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