『山を上るイワナ』

『山を上るイワナ』読了。【☆☆☆☆】

ちょっとまえに読んだ『イーハトーブ釣り倶楽部』よりも面白かったです。
どちらが先に書いたのだろうと思ったら『イーハトーブ・・・』の方が先のよう。
読みやすくフシギ感がよく出来ていると思います。

毛鉤釣りのことよりも、東北の山深きところにすむ老人とのお話の方が印象に残りました。釣りはアクセントのような感じです。釣りをしない人にも読める本だと思います。
ラストはちょっとワンパターンですけど、それもこの方の文章だと思えばよいのかもしれません。


それと印象に残った点がもうひとつ。
「昔は良く釣れた」ということも語られています。
環境破壊や河川工事によって魚が減ったということもあるでしょうが、この方の描写を読んでいると直接的には全く語られていませんが、釣り人による乱獲も大きな要因だというようなことも感じました。日本の内水面で自由に釣りが出来る時代は去ったような気がします。