『粋な旋盤工』

『粋な旋盤工』読了。【☆☆☆】

この本もハーさんからお借りした本です。

私も仕事で旋盤を使ったりすることがありますが、あくまで素人の真似事。
本職の方とは違って、棒の端面を処理したり、簡単な治具を作ったりする程度です。

難しいものや精度が必要なものに関しては、図面を出して業者さんにお願いしています。
その業者さんにあたる旋盤工の方が書いたエッセイと短編小説（？）です。

文章のベースには労働闘争（プロレタリア文学系）などの話が多い（というかそのもの）のですけど、その裏側にある零細工場の雇われ職人の悲哀を感じさせられました。オイルショックくらいまでの話なのですが、それでもいまと通じるような話もあります。私も機械系技術屋の端くれとして身をつまされる気分になりました。

もうちょっと粋でカッコイイ話なのかと思って読み始めましたが、重たい話でした。ここでは書けないようなことも含めていろいろと考えてしまいました。