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Posted by watari - 2015.07.05,Sun
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』読了。【☆☆☆☆☆】


村上春樹氏の2013年の作品。

米国出張行ったときの空港の本屋に、この英訳本があって、思わず買おうかと思ったのですが、「英語は読めないし、まずは日本語からだろ」と心の声が聞こえたので図書館で借りて読んでみました。

読み始めてから読み終わるまで即日。読後に思うことは、私は村上春樹氏の本はやっぱり好きなんだな、と感じたこと。そしてやっぱり優れた作家だなぁ、と思ったこと。

村上作品のストーリーラインを短文で紹介するのはいつも難しいですが、いままでの作品と比べるとなんだか若い印象があります。いつもならばスカして、誤魔化すようなことも、肉薄しているような。わかりやすさがありました。

主人公は36歳。いまの私よりも若干若いですが、もう良い歳をした駅を作るエンジニア。青年時代に抱え込んだ闇と一緒にいままで生きていたのを、現在の恋人に指摘され、巡礼に向かう、わけです。

これだけ読むと唐突ですが、積み上げられて事象のうえでの行動です。海外にも行ってしまいます。

巡礼という言葉は作品の中には使われていませんが、まさしく巡礼。でも、この歳になって巡礼すること、土地や建物ならまだしも、人に対して巡礼する(何年も会ってない人に会いに行く)、というのはエネルギーだなと感じました。私にはもう出来ないような気がします。

私にも巡礼したい場所・人があるような気がします。長いことではないので30分ほどでも会って話をしてみたい人もいます。もしできたらどうなるだろう?という意識も作品を読んで持ちました。

ただ個人的には、時間を掛けて抱え込んできたその闇も、これからも一緒に生きていくわけで、すっぱり消え去るように解決するようなものでもないだろう、とも思うわけです。もちろん作品のなかでもラストシーンにそれが暗示されています。

ただそれをフィクションのなかで提示することで、可能性を示しているというのは村上春樹作品らしいのかもしれないな、と感じました。

個人的にはあと数頁ラストシーンを加えて欲しかった。すべての解決を提示する必要はないけれど、もうあと一歩進めて欲しかった。でも、あの終わり方がベストだと作家が思ったのであれば、あれが正解なのかもしれませんね。
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