『電子書籍と出版 デジタル/ネットワーク化するメディア』読了。【☆☆☆】
電子書籍関係の本を読み始めて3冊目。
日常の仕事は全く異なる業種について読むのは新鮮。
面白いかどうかは別として・・・。
読んでいて印象に残ったことは4つ。
ひとつめ。
本をたくさん読んでいる人でも、無料で読むものが増えて、有料で読むことが少なくなってきているということ。
確かにツイッターにしてもブログにしても、ヘタな本を読むよりも面白い場合が多いことがある。これは本読みの私も感じていること。
もちろん上質な本、しっかりまとまっている本にはかなわないにしても、自分好みな本を探すことよりも、ネットで自分の興味のある記事を探す方が手軽でラクで読んだ気になれるのかもしれない。
原因のひとつは、本は最後まで読んでみないと面白いかわからないこと。ヒトが面白いと言っても自分が面白いとは限らないこと。読書の醍醐味でもあり、欠点でもある。
このことにも通じるけど私が個人的に思っているのは、世の中で『活字離れ』と言われているけれど、離れているのはお金を払って読む本『活字』であって、『文字』からは離れていないんじゃないかと。
インターネットは映像や画像もあるけれど、現時点での主流は文字を読む媒体であること。ちょっと前(15年前くらい?)ではこんなにも一般の人間が新聞以外のものを読むことはなかったし、また文字を書くことはなかったのではないかな?と思っています。
ふたつめ。
何かのイキオイで討論会をやってみて、興味のあるヒトが参加して、ソレを本にする。
このような本のスタイルが増えているのかもしれないけれど、それこそ無料の媒体ならまだしも有料の本としてはあまり面白く出来ていないような。。。
内輪ウケの討論会で面白い本が出来るということとは違う気がしています。講演会なら面白いことが多いような気がするけど。
みっつめ。
本を作るのに出版社は必要とのこと。
なぜかといえば編集者が読者の目で見直しが必要だからとのこと。
この件については門外漢なんだけど、本当に必要なのかな?と思う。著者が走りすぎてアンバランスな本に対し、この本ではアンバランスさを補正する編集者の能力が大事と言っていながら、この本の中でそれが出来てないような。編集者が何人もインタビューされているのに。
個人的には著者の暴走すら、読者とのツナガリが強い電子書籍であれば、修正や更新は手軽に出来るのではないかと思っています。つまり編集者は今のような仕事をするかぎりいらないのでは?と思う。
よっつめ。
出版社の方は紙媒体の本に自信を持っているような気がしたこと。
いままでのメシの種なのだからわからないことはないけれど、どこからその自信が出てくるのだろうと不思議な感じ。
日常業務の中では、革命がおこなっていても気が付かない可能性ってのがあるのかもしれないなぁ。
自分達が中抜きされるなんて思いたくないのかもしれない。
Powered by "Samurai Factory"