変わり塗りは見た目は綺麗だし、その偶然性の美しさは個人的には非常に好き。
ですが、塗装→乾燥→塗装→乾燥・・・の繰り返しで時間が掛かる!!その時間が掛かるということがひとつの楽しみではありますが、お手軽な感じではないのです。
そこで、もっと簡単にできないかいろいろ考えてみたのです。
で、先日、乾漆というものを知り、ひとつのアイデアを思いつきました。
そのアイデアをもとに試行錯誤をしてみたところ、上手くいった工法がありました。
もしかすると私が知らないだけで一般的な方法なのかもしれませんが、簡単な方法なので変わり塗りを試してみたい方にはお勧め。
①カシューを剥離紙に塗ります。
剥離紙とは、例えば両面テープのテープを剥がした後の紙のこと。
塗料や接着剤が乾燥後に剥がしやすいので、ロッドビルドやルアー作りで重宝しています。
ポイントはカシュー塗料を若干薄めてサラサラにして薄く塗ること。
厚く塗ると表面張力で玉になってしまうことが多いです。ちなみに写真はカシュー金を塗りつけたモノです。
②半日後、半分以上、乾燥したカシュー塗料の模様をピンセットで拾って、塗りたいモノに貼り付ける。手でちょっと押し付けることで、しっかりと貼れます。
削り出しの変わり塗りと異なり、気に入った模様を拾うことで思い通りの模様になります。
クラック模様や水玉模様など①でのやり方を変えることで見た目が変わります。
③このあと本透明などクリア系のカシューでコーティングすることで完成。
貼り付けた部分が若干盛り上がっていますが、見た目のアクセントとして面白いと思っています。
いままで私がやっていた変わり塗りは2ヶ月近く掛かりますが、今回の方法であれば土日の作業で考えると2週間ほどで完成するかも?かなり短縮が見込めます。
①での模様の作製は偶然性が殆ど。ただし②でそれを選択して貼り付けられるので塗装の完成形が想像しやすいです。
今回、試行錯誤をした部分は①。
気に入った模様が出来るようにカシュー塗料の粘度や塗り方を試してみてください。なかなか思い通りにはいかないのが、それはまた楽しい作業です。
さて、色味の組み合わせは、これからいろいろ試してみるつもり。一番上の赤黒はかなりお気に入り。カッコ良いです。またしても人間が良く釣れるルアーになりそう。楽しみです。
ゆっくり休んでおられるでしょうか?
私も最近「はやぶさ」のブルーバックスを読みましたが、
watariさんが書かれていた「どれだけ壊したかで云々」という一節は、
私たちモノ作りを生業としている人間にとっては、まさに至言ですね。
変わり塗り、私も少しずつ試し始めているのですが、
山立てひとつにしても、塗料の粘度の塩梅がなかなか難しいですね。
最近は、上手く出来るようになることもさることながら、
色々と工夫して試すこと、それ自体が本質的には楽しいのでは?
と思っています。
ま、ヘタの横好きというやつですがね(笑)
今は高蒔絵のシールなんて物もありますが、感覚的には似た感じで立体感がありますね。
研ぎ出しとはチョット違って、山立ての段階で完成に持ち込んだ様な塗りですね。
貼り付ける下地も半乾き状態にして更に金粉や金箔なんかを振り掛けたりすれば、意図的に配置しつつ自然な感じが出せるとか発展型も出来そうですね。
山立ては難しいですね。立てたと思っていても乾燥したらベタと寝ていたり。
私も思い通りにいかないですが、最近は剥離紙に薄くカシューを塗って、若干硬化→粘度をあげたあとに楊枝で叩いて糸を引くようにして塗っています。塗料を置くような感じ?
このあたりは文章で書くとワケが分からないと思いますので、試行錯誤の部分になってしまいますね(笑)新竿での変わり塗りは期待と同時にとても楽しみにしていますよ(笑)
はやぶさ本の「どれだけモノを壊したかで想像力の範囲が決まる」という言葉は、技術者としての私の心に刻む言葉となりました。想定外という言葉は、これから使わないようにしたいものです。
>満天星さん
「面白いやり方」ということは、この工法はオリジナルなのかな?(笑)確かに蒔絵と雰囲気は似ているかもしれません。
研ぎ出しはもちろん素晴らしい工法なんですが、どーしても時間が掛かるのですよね。これでやれば、完成も早いし完成形も想像しやすい。
特にルアーを作る人にとっては塗装が厚くならないのでお勧めできるような気がするんです。
これを応用しての発展系はこれからになりますが、アイデアは持っています。うまくいくかはもちろんわかりません(笑)
そーいえば入社数年目に上司にこー言われたことがあります。
『金を掛けて、時間を掛けて、手間を掛ければ誰でも出来る。そーじゃないように作れ』
そのときは若かったこともあり頭にきましたが、確かにそれを考えるのが技術なんですよね(笑)
こーいう省力化を考えるのは一種の癖だし、好きなんだと思います(笑)いろいろ考えていますが、うまくいくのは極一部でございます。
私が変わり塗りを始めたきっかけは、エアブラシを使える環境が無かったからが一番です(笑)
エスさんも塗装、カッコ良いですもの。
立体になるのはタマタマですけど、これがオーソドックスな変わり塗りとの大きな違いですので、これはこれで良いかな、と(笑)
この剥離紙っていうのは売っているのでしょうか?
剥離紙の上で半乾きの状態で拾い上げて、ルアーに付着させるってことでよいのでしょうか。
これはなかなか面白いですね。
流石いろいろ考えますね。
私も昔ルアーをつくっていたころ、クラッキングスプレーとかいうのがありました。スプレーが二本セットでAをシューッと。その後乾く前にBをシューッとするとあれあれ塗膜にひび割れができるというもの。。。
面白いとおもったのですが、watariさんの技法のほうが数段優れていますね。恐れ入りました。
よく子どものシールが張ってある台紙のようなツルツルの紙です。
あれがカシューを弾いて網目模様になる感じ。確かにクラッキングスプレーのヒビ割れ模様とも似ていますね。
拾う場合は半乾きというよりほぼ乾燥状態のような感じですね。それでも押し付ければ着くみたいです。
これからまだ試してみないとよくわからないことが多いので、いろいろやってみます!!
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