映画『はやぶさ/HAYABUSA』観てきました。
企画が発表された段階では、全く期待していなかったのです。
たいがい内容が改変され、そのうえ映画独特の面白オカシクされてしまうことが多いためです。
ですが、宇宙作家クラブの辛口の笹本氏が試写会で観たあとの感想をツイッターで曰く「みんな、大丈夫だ」とのコメント見て、観てみることにしました。
140分との長時間でしたが、長さは感じませんでした。ストーリーの流れは当然のようにわかっていますが、ショートストーリーを絡めてうまく表現されていたと思います。
JAXAの全面協力で作られているため、相模原の施設も出てきていまして、先日の一般公開で見た場所が出てきてにやけてしまいました。やっぱり1度行っておいて良かったです。
細かな内容については書きませんが、なかなか面白く観させてもらいました。でも、それはただ面白かったということで、いくつかの苦言があります。
ひとつめ。
主人公を含めた科学者、技術者をわかりやすい変人に描きすぎていること。確かにはやぶさプロマネの川口教授は「JAXAは変人の集まりだ」と言いましたが、意味が違う。
きっと映画独特のステレオタイプなのでしょうが、これを観て子どもたちは憧れてくれるでしょうか?
JAXAが全面協力しているのは、はやぶさを通して日本人に誇りを、そして子どもたちに科学の興味を。ということで協力したのだと(勝手に)思っています。ですが、映画を作るクリエイターたちは、科学者・技術者のことをこのように見たうえで、このように表現することが正しいとしたわけです。
科学者や技術者は、日本ではそれほど尊敬される存在ではないかもしれませんが、せめて「はやぶさ」を帰還させた方々への尊敬を持ってほしかった。残念です。
ふたつめ。
はやぶさ帰還の偉業を成し遂げたのは確かにエリートかもしれませんが、我々と同じ市井の人々であり、なぜ完遂できたか?といえば諦めが悪く考え続けたからだと思うのです。でも、その部分は軽く流されていたように感じました。問題が自然の解決されていくのです。緊張感が伝わらないのです。
緊張感といえばもうひとつ。宇宙の表現が出てくると緊張感が弛緩するのです。
上坂浩光氏の『HAYABUSA BACK TO THE EARTH』を観ていたためかもしれませんが、映像の質がどーというわけではなく、映像の使い方のクオリティが違っていたように感じました。
何も考えず、普通に観れば、普通に観れます。悪くは無いです。
でも、個人的には良くもないかと。愛は感じない。
最近は、業務でいろいろあって疲れ気味なのかもしれませんが、こんなことを感じました。
記録として書いておきます。
なので、ストーリ解説や番宣(?)も極力見ないようにしていますw
ま、土台、7年の旅を2時間少々に凝縮出来るハズは無く、恐らくは帰路、トラブルを乗り越えて満身創痍のはやぶさを帰還させる辺りが描かれているのかなと想像しています。
watariさんの苦言は想像通りですねw
敷居を低くして大勢の方が取っ付き易く観られる様にせざるを得ないでしょうしね。
題材はノンフィクションですが、映画そのものはフィクション。
映画は映画として割り切りが必要でしょうねw
見てない人に言っていいのかなぁ。。。
一番感動したのが打ち上げ(笑)
もちろんリエントリーの映像を見るとパブロフの犬のように涙が出てしまいましたが、満身創痍で帰還できない可能性が高いという緊張感が全然ないんです。
真っ赤な火箸でハラワタをグリグリとかき回されるようなギリギリの緊張感がなくて、なんとなく進んで、なんとなく解決していくのです。そんなわけないのに。
それでよいのか?という感じでした。
でも、こだわらなければ普通の映画だと思います(笑)
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