『はやぶさ、そうまでして君は』読了。【☆☆☆☆☆】
今年最後の本に選んだ本は川口先生のはやぶさ本。
大量に本を読む我が家では、図書館か古本屋で本を調達することが通常ですが、今回のこの本は、川口先生に敬意を表してアマゾンで予約をして発売日当日に購入。最初は嫁さんが読みましたが、私は年の瀬まで引っ張って2010年最後の最後に読むことにしていました。
本の副題「生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話」にもあるとおり、はやぶさを一番熟知している本人の言葉だけに、他の「はやぶさ」本とは全く重みが違うし内容も詳細でわかりやすい。「はやぶさ」を襲った全てのトラブルが素人にもわかるように説明されています。
また川口先生のエンジニアとしての視点、そして「はやぶさ」を作り上げた親の視点についても心が動かされました。特に「はやぶさ」が地球に突入して燃え尽きていくところをインターネット経由で見ているときの感情については、講演会やインタビューでも語られなかった秘話というべき話。御自分でも「およそ技術者らしくない感傷」と書かれていましたが「はやぶさ」は単なる「はやぶさ」ファンである私も含め、何か人間の感情を惹きつける『何か』があったのでしょう。
あと『誰がリチウム電池の補充電源回路をONにした?』の話は、私は初めて聞く話でしたが、この話こそ技術者としては納得のできないお話。工学教授が「神の差配」なんて言葉を使ってるのですから、何か不思議なチカラ、見えざる手が働いたのかもしれませんね。
神の見えざる手と人間の感情を背負った不死鳥から火の鳥になった「はやぶさ」。川口教授も言うとおり日本の宇宙開発における実力ではなく奇跡が生んだ成功とのことですが、運を実力にしていくこれからに強く期待しています。
読み終えた感想としては、今まで読んできた他の「はやぶさ本」でここまでクオリティの高い本はない気がします。いろいろと盛りだくさんで、非常に満足度の高い本です。
一番詳しいプロマネが書いたからではなく、川口先生が書いたからこそ、わかりやすく感動できる本になったのだと思います。いま「はやぶさ」本を読むのなら、この本が最もオススメできます。
去年最後に読んだ本も去年ベストとなりましたが、今年最後に読んだ本もまた今年ベストとなりました。私にとっては本読みが一番の趣味。来年もいろいろ読んでいきたいと思っています。
はやぶさはホント感動しました。正直これを知るまでは興味のなかった世界でしたが、日本の技術者の精神は凄いなぁと思います。
私にもほんの僅かでもみならえたらなぁーと来年はその精神で何事も奮起したいと思っています。
来年もどうかよろしくお願いたします。
良いお年を。。。
ラストショットや最後の散り方は、「はやぶさ」は知らなかった方々も
惹きつけてくれた嬉しいなぁと感心しています(笑)
私も「はやぶさ」を少し見習って、なにごとも
ちょっとずつでも諦めずにやっていきたいと思ってます(笑)
こちらこそ来年も宜しくお願いします。
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