『はやぶさの大冒険』

『小惑星探査機　はやぶさの大冒険』読了。【☆☆☆☆☆】

嫁さんが図書館から一番乗りで借りてきてくれた本。
なんでも毎日のように図書館をチェックして入った瞬間に１番で予約を入れたとのこと。
最近は私よりも「はやぶさ君」にハマリ気味。
変なモノにハマルよりもずっと良い。というより素晴らしい。

「はやぶさ」についてのいろんなネット情報や本も読んでいますが、打ち上げ当初から「はやぶさ」を見ている方の視点として非常に興味深く読みました。時系列的に重要な事項がまとめてあり、現時点でのサンプルリターンとイオンエンジンに偏りがちな情報とはまた違った分野の情報も書かれています。また、その視点は「はやぶさ」に対する強い愛情も感じました。

個人的にはリアクションホイールの故障モードの説明が良かった。そんな重要な部品がｎ＝２／３壊れてしまうとは、かなりの確度。なんで壊れるのか正直よくわからなかったけど、原因を聞いてみて、なるほどと思いました。やはり耐久試験というのは重要ですね。というか、やってなかったのかな？

また、この本は中学生にも読めるように書いたとのこと。
是非ともこれからの日本の技術を担う中学生に読んでもらいたい。

最後に文中にあった川口教授の言葉。
「あるところまでは科学や技術の努力でできますが、それよりさきはどうしようもない領域です。それをそれを乗り切ったのは根性だと思います。」

また國中教授の言葉。
「奇跡だとはいいたくないですよね。やっぱり努力でしょうね、努力です。とても『おもしろかった』ので、みんな一生懸命努力したんです。」

技術は科学を礎に築かれますが、その技術を作り出すのは人です。いい言葉だなぁと感じました。胸に刻みひとりの技術屋としてこれからも頑張りたいと思います。