『微生物ハンター、深海を行く』

『微生物ハンター、深海を行く』読了。【☆☆☆☆☆】

先日のＪＡＸＡ特別公開の際に講演会を聞いた高井研氏の自伝的エッセイ、というかお笑いドキュメンタリー。でも内容はかなり真面目。でも文体はかなりお笑い。読んでいて非常に楽しい。

高井氏は関西出身。関西ノリでちょっとバブリーな香りがするイケイケだ。

いまは横須賀の独立行政法人海洋研究開発機構（ＪＡＭＳＴＥＣ）の地球微生物学者。地球生命の源を探っている。

有人潜水艦に乗り込み、深海熱水活動の調査をおこなったことや、まだ学生時代の若かったころの研究生活などが書かれている。アマゾンの内容紹介には「愉快でエネルギッシュな科学冒険物語」とあるけど、物語じゃないよね。ノンフィクション、もしくはドキュメンタリーだよね。

もちろん自伝的な話や、お笑いだけではなく、非常に真面目な研究についても語られている。真面目に書かれてしまうと理系出身の私でも、まったく着いていけなくなるけれど、でもそれを非常に噛み砕いて説明してくれているのでナントナクわかったような感じになってしまう。

この本は中学生や高校生くらいに読んでもらったら、研究生活に憧れを抱いてくれるんじゃないだろうか。生命については、人間に残された大いなる謎。この隠された謎を解いていく研究は楽しいんだろうなぁ。

高校で習う数学なんて社会に出たら使わないよ、なんていう連中の言うことなんで無視して、この楽しい研究者の話を聞いてもらいたいところ。私も年を取ってしまったけど、外野の声に諦めることなくいろいろと続けていこう。

著作を読んだのはこれで2冊目。（1冊目は「生命はなぜうまれたのか」）
次作が出たらまた読もう。