ゆっくりでも止まらなければけっこう進む
Posted by watari - 2011.09.17,Sat
『日本人へ リーダー篇』読了。【☆☆☆☆☆】
塩野七生氏の本は久しぶり。
読むとちょっと賢くなった気がするのが心地良い。
本当に賢くなっているかどうはわからないけれど。
書かれたタイミングは小泉郵政改革での総選挙の前後。
政治的にいろいろとバタバタして、いまとはちょっと雰囲気は異なる感じ。
リーダー編ということで、日本の政治家、世界の政治家、そして古代の政治家の話がほとんど。
もともと個人的には好きな作家なので、頭や心に引っかかる言葉は多い。
歴史評論という立場から日本を見ているうえに時代が数年経っていることで、その言葉の本質も見えやすい。全くハズレタことを言っていれば、読むのに値しないけれど、そんなことはない。『確かに』『なるほど』と思うようなことが多かった。時間が経過したあとのエッセイは作家の力量が試される。少なくともこの本は、震災後の現在の日本にも通じると感じた。
文中には日本人は目の前の困難に対処する能力は優れているという記述があった。世界各国の歴史を見渡すと民族気質と外れたことをやると必ず失敗するということも書かれていた。なるほどなぁ。この言葉は震災後の日本を暗示しているのかもしれません。
これから10年後、50年後、100年後。
日本がどのようになっていくか?個人的には楽しみではある。
私はどちらかというと日本の将来に対し悲観的に感じていません。
特別な根拠があるわけではないけれど。
但し、この本の巻頭にはカエサルの言葉が書かれています。
「人間ならば誰でも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」
確かにそのとおりだけど、信じているのです。
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